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企業理念リレーインタビュー 第3回 取締役 安藤英紀

ニュース2016.09.28

企業理念インタビュー 「新しい理念で 何が変わるのか」

2016年9月28日

 企業理念リレーインタビュー 最終回は、6年前の最初の理念立ち上げから今回の再構築までの道のり、想い、そして組織開発、人材開発への取り組みについて取締役・安藤 英紀 に聴く。

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~ いいモノを創るには 理念が 一体感が要る ~

A.  理念は、私にとっては手段です。同じ方向を向きたい、一体感を持たせたい、そのための手段でした。 リーマンショックの後、当社も業績が落ち込んだときがありました。社内にも動揺があり、今までやってきたことが思うようにできなくなってきた。ギスギスした雰囲気が漂うような感じで。 当時、私は営業をしていて、「売ればいい」と思っていたのでそういった空気も当初はあまり気にしていなかった。よくよく考えると「いいモノを創らないと売れない。こんなに社内がガタガタで、いいモノなんて創れない。一体感を作りたい。同じ方向を向きたい」と思うようになりました。自分たちで主体性を持って決めるプロセスが、このままだと生まれないということも漠然と感じていました。そんな中、部長陣を核として会社の本質的な問題課題に対して腹を割って話す場を設けました。その流れで一体感を持たせるために、理念を作りました。自分たちで作ったら責任と主体性が生まれ、自分たちでやっていくと思ったのです。社員アンケートで皆の想いを吸い上げるなど半年位かかりましたが、当時の部長陣の想いが言葉として紡がれていたと思います。

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~ 安心安全感があって自律ができる ~

A.  一体感を持てたかというと、3歩進んで2歩下がるという状況がずっと続いていました。本当に自分がやりたいことができているかどうか。当時はわからなかったのですが、こうやって振り返ると、個々が自律できていなかった。個々が立っていないのに一体感を持たせようとしても、期待するレベル感にはならない。理念を作ったけれども掲げられただけで、中途半端なことが続くというようなことが起こっていました。
  なぜ、自律できないかというと、自分の中に「安心安全感」がない。それがどこでつくられるかというと、結局、外側の環境が安心安全でないと自分も安心安全にはなれないと思っているから、永遠にその感覚が訪れないのです。結局、安心安全感は自分の中にあるよということに気付かないと何も変わらないというのが、今の私の考え方です。自分への信頼以外の何者でもない。それが基本。何をやっても一緒。人から信頼しているよと言われない限り安心しない。お前大丈夫だよと言われたいがために何かをやる。それは本来の自律とはとてもいえない。

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~ “人のために”という意識から  “自分がいること”への意識転換~

A. 昔はそうでした。人のために何かするのが好き。人が喜んでいるのを見るのが好き。自己犠牲も厭わない。ですが、5年ほど前から変わりました。特にここ1、2年は人のことはあまり気にならないようになりました。“自分がどれだけ幸せでいられるのか”にフォーカスしています。その結果が目の前に現れてくると思っているので。
 なぜそういう考えに至ったかというと・・・上手くいかないわけです。何をやっても。同じパターンが繰り返されて。とっかえひっかえやってみるけど、立ち上がってくる現実や結果は同じ様なことばかり起こる。どれだけ一生懸命やっても、皆のために尽くしていると思っていても、不平不満はなくならない。そんなとき私が学んでいる中で、自分が普段描いている世界がそのままここに現れてきているだけという話があって、それが腹に落ちて。上手くいかないと思っているから上手くいかない。何とかしたいと思っているけれどそこに、「でもな」とか「とは言っても」なんていう疑念があると、ね。
 本当に純粋にこうしたい、良くしたい、自分が人にというより、自分が自分の人生を良くしたいというところから人と関わると間違いなくそうなる。何をやるかというレベルではないところに今いる感じです。“どういう自分でやるか”がもっと大切。極端に言うと、それができないなら何もやらない方がいいと思うほどです。まず自分がいることで、いるだけで何かの影響を与えられるような状況になってからやる方がいい。そんな感覚です。

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~ 人と人との関係性を見ていくことで “使命”につなぐ ~

A. モノが何であれ、創っていくのは人なので、人が重要。じゃあビスウィルで働く人はどういう人なのか?というところを見ていきたいと考えています。
  人材・組織開発は2つの側面があります。1つはスキル開発、もう1つはリーダーシップやチームで何かをする能力です。スキル向上だけでは補えないもの。個人が解の無いところに対して判断、決断していく能力。わからないながらも皆と一緒にまとめて同じ方向性に向かってやっていくとか。そちらの能力も、絶えず本当は意識レベルだけでなく行動レベルでも毎日やっていかないと積み上がっていかない。会社として継続してやりたい。どちらもやらないといい組織にならない。組織が組織としてあらしめるための個人の能力やチームでやっていく能力開発を機能体としてやっていきたい。人材=個人、組織=チームと捉えるとするなら、人と人との関係性を見ていくのが組織開発です。企業理念は、それをやっていく手段。これを使いながらあなた自身は何をやっていきたいのか?組織として何をやっていきたいのか?ということです。究極的には、企業理念の「使命」につながればいいと思います。
 あと、社員個人の特長やユニークさは活かしたいですね。同じ方向に進みながら個々も活かされている。会社で自分の個性を活用してほしい。自分を、個性を出していいと思えないと出せないから、そこをどうやっていくかも課題ですね。

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~ 一言一言を味わい  見えないものを大切にしたい ~

A. 引き締まる感じ。再スタートのような。もう一度エンジンがかかるような感触です。毎朝、朝礼での企業理念の唱和をすることで、言葉を自分に入れようとしています。どれだけ自覚的に自分に入れていけるか。入れたいという気持ちが毎朝ある。噛み締めています。 振り返ると、企業理念を再構築するプロセスもすごく楽しかった。携わったメンバーの想いを洗いざらい出すことに重きを置きました。そういうプロセスが好きなんですね。解決を敢えてすぐに求めに行かない。その方が実は一番結果に近かったりもする。勿論、短期的な判断が必要な場合もありますが、人を動かすのはやはり“想い”だと思っているので。見えないもの=想いを大切にしていったら、本来の欲しいものがあるよね、という感じ。今、それを仕事でできることに、大きな喜びがあります。

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~ 自慢の言葉は・・・ ~

A. “こころをこめて”が一番好きです。理念の一番最初にあるのがすごくいい。皆に自慢したい。 うちの会社らしい。温かさだけでなく、お客様のことをちゃんと向いていることが伝わってくる。 精密機器メーカーで、こういう言葉を掲げている会社はないのではないでしょうか。これから、全てのことをこころをこめてやりたいです。

<取材後記>
 「小さい頃は生き物を観察するのが好きだった。ファーブル昆虫記に出てくるような生物学者になりたかった」と40年前を懐かしむ。学生時代から社会人になっても、「困った人がいたら助けたい。助けてくれた人には恩返しをしたい」という信念は変わらない。人の想いにほだされてあっさりと重要な決断をする場面もたびたびあり、家族に呆れられることも。 人とのつながりを大事にするビジネスマンは多くいるが、「“人”が本質的に変わっていくのを見るのが好き」という言葉を聞くと、企業が“法人”と言われる所以に合点が行った。

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 3人の経営陣がそれぞれの想いのたけを語ったリレーインタビュー。 見えてきたのは、理念の実現に向けた真剣な姿勢と新たな展開への期待、 そして「企業は生き物であり、良くも悪くも変えるのは人」という真理。 新しい企業理念で変わっていくビスウィルを、どうぞお楽しみに。

以上

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